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祝祭よ再び

「劇団うつり座」は、2022年5月にシニアが立ち上げた劇団です。この頃、演劇界では、コロナ感染が収束せず公演中止があちこちで起きている状況でした。社会に目を向けると、海の向こうで勃発したウクライナ紛争がこの国の未来に暗い影を落としていた日々でもありました。それらを打開して、人々の心に勇気と希望と感動を届けたい、それがこの劇団の生まれた意味であり、使命でしょう。人々は日々実直な生活を営みながらも、自らの命を激しく燃焼させるような、そんな胸躍る祝祭を常に求めているのではないでしょうか。90年代初頭のバブル経済崩壊後、日本はどんどん衰退し、ここ数年の我が国の凋落ぶりを見ると、この先いったいどうなるのか、皆目見当がつかなくなって暗澹たる気分になります。そんな時代を覆う曇天の空に、風穴を開けるようなエネルギーを放出し、あの昭和の時代の如く人々が上を向いて元気に生きていた時代の息吹を、昭和を知るオトナ世代の「劇団うつり座」メンバーが、演劇活動を通じて皆様に届けていこうと思います。ご期待ください。

代表 篠本賢一

篠本賢一プロフィール

1961年東京生まれ。「遊戯空間」主宰。俳優、演出家。葉桐次裕氏、若林彰氏の演出作品に出演し演劇を志す。円演劇研究所専攻科を経て、1988年、遊戯空間を旗揚げする。同年、東京都西多摩郡檜原村の小学校廃校を拠点にした「青童舎」にも参加、松谷みよ子作品などを演出した。1991年から故観世榮夫に師事し、能メソードを吸収しながら、不条理劇の演出も数多く手がけ、先鋭的な現代劇創作の理念を築く。2001年、遊戯空間+江古田ストアハウス提携公演『曾根崎心中』(笠井賢一演出)が、第4回日韓アートフェスティバルに招聘され、ソウルに於いて「徳兵衛」を演じた。2005年より、かねてより親交のあった福島の詩人・和合亮一の詩作による「詩×劇」シリーズに着手し、2011年の震災以後も突出した言語と俳優の身体のコラボレーションによる作品を創作し続けている。上演活動に並行して、アマチュアへの指導、交流も精力的に行い、演劇や朗読の魅力の拡散に努めている。演劇の他には、20歳よりモダンダンスを、30歳よりクラシックバレエに取り組み、葉桐次裕創作舞踊研究所、萩谷京子現代舞踊研究所、牧阿佐美バレエ団などで多数の舞踊公演に参加した。現在、一般社団法人遊戯空間 代表理事、一般社団法人日本演出者協会 会員、株式会社テアトルアカデミー 講師、宮城学院女子大学 学芸学部 非常勤講師、高校生のためのeiga worldcup 審査員、杉並演劇祭 審査員などを務める。
主な演出作品に、『サド侯爵夫人』『全段通し仮名手本忠臣蔵』『喪服の似合うエレクトラ』『詩×劇 つぶやきと叫び』『かさぶた式部考』『怪談牡丹燈籠』などがある。