『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』
作/清水邦夫 演出/篠本賢一
日程:2024年8月7日(水)~11日(日)
会場:上野ストアハウス
アンケート
◆「おばん、青年AB、裁判官他、それぞれが生きた時代背景の想像を掻き立てられた芝居であった。おばんのあの凶器じみた姿は、戦争や貧困がトリガーとなり生まれたいわゆる過激派を彷彿とさせるものだった。一方、裁判官たちは民主主義の名の元に権力を振りかざし見せかけだけの正義を唱える、ある意味平和な時代に生まれ育ったんだなと。 青年Aは、犯した罪を自慢し楽しんでいるかのようなサイコパス的な一面も見られたが、おばんに憧れを抱いてはいるものの、やはり平和が訪れたことで、どこかおばん程の狂気は感じられず、結局失望され殺されてしまう。 青年Bは、おばんや裁判官他、国の権力者に反発しながらも、新しい考え、生き方、暴力でも権力でもない新しい思想の構築なかで苦しむ若者の代表であり、象徴であると感じた。 現在は、平和が当たり前過ぎて 平和とは、自由とは、などと考えることはない。しかし、歴史に目を向け先人達の思いに馳せ想像するからこそ、様々な思いに浸ることが出来た。 舞台の趣旨とは異なっているかも知れませんが、初日をみて勝手に考察してみました。」50代 女性
◆「凄かった!決してわかりやすいとは言えない内容でしたが、演劇はそんなに見ない僕でもその演技の迫力に圧倒され、エネルギーを体感できてとても面白かった! 今日見た演劇は決してわかりやすくはなかったけど、だからこそ内容にまで感想が及ぶにはその手前に気になるところが無いようにする必要があるんだろうな。音楽なら、内容を聴いてほしいからこそその手前のクオリティが高くなければいけない。例えば「あ、リズムがダサいな」と思われたらそこまで。」30代 男性
◆「ライブハウスに行くより劇場に通う回数が多かったので、あの独特な空間の中で彷徨い発光する徳田さんに出逢えて不思議な感覚でした。 なかなかに激烈な熱量のギグ。呼吸するのを忘れて一息つく度に増す疲労感ったら…観ているだけなのに…笑 子宮という言葉ひとつ取っても、人間で有るが故の感情や思考と捉えるか、人間の尊厳、命の根源と捉えるか、もっと別の何モノなのかって考えるだけでもヒリヒリして前のめりになる感じでした。 サックスの音色もヒリヒリと迫ってきて、演者が演じた一人一人の魂の叫びすべてを担っているみたいで、最後の最後まで体温が上がりっぱなし。まだまだ余韻やらず…」40代 女性
◆「今日はありがとうございました!! 大変おもしろかったです。 気がつくと息を止めてるくらい、緊迫した熱量が伝わってきました。 「考えることは言葉にすること」みたいな孫のセリフで、私はそれが終着点なのかと思いましたが、そんな安直な結論では終わらなかったことで、私自身平手打ちされた気持ちになれました。(自分が文部省的なのかもと思うとがっかりです。) 観ている間に、最初は嫌悪した裁判官が不憫に思えたり、ゾッとするような鴉婆が切なく思えてきたり、視点が変わっていきました。 鴉婆の独唱のシーンかっこよかったです!歩き方や話し方は誰より婆らしかったのに、中身は婆じゃないと思いました。」
◆「鴉婆には革命の魂が憑依しており、その魂は、大化の改新の頃からからずっと誰かの肉体を借りながら、権力と戦い、抗い続けている 憑依する肉体が死んだら、また次の体へと乗り移り、そうしながら革命を叫び続けてきた これは最後、法廷内にいた全員が官憲に撃たれるが、鴉婆が空に向かって何かを唱えると婆たちが若者に変身したことから推察出来る その若者達も再び全員殺されてしまうが、最後は魂に姿を変え、令和を生きる私たちに弾丸を撃ち込む いつの時代も、一般国民は慎ましさを要求され、飼い慣らされ、いずれ考える考える力さえ奪われてしまう 正義とは何か、生きるとは何かを問われたような気がして、魂が震えました 初日と千秋楽と観劇し、舞台を観てない時間も勝手に推察したりしながら、まるまる楽しませていただきました。 素晴らしい舞台を本当にありがとうございました。」50代 女性
清水邦夫作『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』は、1971年に蜷川幸雄が率いる劇団によってアートシアター新宿文化で初演。数十人の老婆が法廷を占拠、裁判官や検事等を人質に取り、自ら裁判を行うという闘争劇。所々にちりばめられた笑いのなかに、社会に向けた普遍的な強いメッセージが込められています。
あらすじ
学生たちによる闘争が下火になった70年代、チャリティーショーに爆弾を投げ込んだ科で裁判にかけられている二人の青年。孫を救うべく、老婆たちは武器を携え裁判所に押しかけ占拠する。正論を盾に権力を振りかざす裁判官たちを向こうに回し、老婆たちの大暴れが始まる。老婆は権力者たちの欺瞞を暴き、青年は市民の傍観を糾弾する。「あたしたちゃ、恥で黒く染まった鴉なんだよ」。官憲による警告が響き渡る中、老婆たちは次々に裁判官たちの刑を執行してゆく……
出演
青木恵 宇沙木はこ おおもりもこ 向後正枝 さとう嶺翔 友竹まり 野村敦子 三浦今日子 yoko
緒方美浮 小栗真一 加藤亮佑 菊地美奈子 北田藍那 山王弥須彦 篠田悦子 柘植英樹 道場真里 徳田雄一郎 永野和宏 堀光太郎 髙田成道 石井宏
スタッフ
美術/篠本賢一 照明/若林恒美 音響/小森広翔 音響オペレーター/月見里りた 舞台監督/服部寛隆 衣装/劇団衣装部 舞台写真/宮内勝 舞台映像/内田誠 宣伝美術/Nono-type 制作/高岩明良(atsmimal) 演出助手/渡会りえ
協力/(有)創新企画 アトリエそら 遊戯空間 劇団新人会 テアトルRuiプロダクション (株)みんなのS
主催/劇団うつり座
スケジュール
2024年8月7日(水)〜 8月11日(日)
7日(水) 19:00
8日(木) 14:00
9日(金) 14:00/19:00
10日(土) 14:00/19:00
11日(日) 14:00
アーカイブ配信:2024年8月21日~9月30日期間限定販売!
公演は無事終了いたしました。
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