※テアトロ誌9月号にて、石倉和真さまに劇評をいただきました!また同誌にて河野孝さまが上半期のベストプレイの1本に選出してくださいました!!ありがとうございます!
『リア』
作/岸田理生 演出/篠本賢一
日程 2025年5月28日(水)~6月1日(日)
会場:上野ストアハウス
アンケート
◆「劇団うつり座の「リア」は、現代人の心の奥底に潜む闇に迫り、人それぞれに人間らしく生きるとは何かを問いかけた作品ではないだろうか。豊かで便利になった現代社会、その半面で自国優先主義による殺し合い、親子の心情を逆手に取った詐欺、ネット上での誹謗中傷などと、人間の本性や欲望が一段とむき出しになりつつある感が否めない。何故なのか、どのような手段を取ろうが、勝者は勝者、敗者は敗者でしかないという風潮が広がったからであろう。そうした変わりつつある現代人に「それでいいのか」とナイフを突き付けたように思える。 サックスと琵琶の音色のなか闇を思わせる舞台から放たれるメッセージに、観客は思わず自己の人生を振り返ったのではないか。劇場が終始シーンと静まり返り、緊張感に包まれていたのは、その事を物語る。文学も演劇も、その目指すところは、「人とは何か」を突き止める事にほかならない。アバンギャルドの世界でも、それは変わらない事を示した秀作だ。」
◆「長女の心情がよく描かれていると思いました。純粋な妹を疎ましく思う気持ち、王座を奪われたくない、誰にも負けたくない気持ち、孤独に苛まれ発狂してしまう気持ち、全てに共感できました。時代を超えても人の心の闇は変わらないんだなと…「愛と憎しみ」をテーマにした人生を考えさせられるお芝居でした。また、王や家来の視点で見たリアも観てみたいと思いました。ありがとうございました。」
◆「前回も思いましたが、生身の人が発する気配に圧倒されます。美術では、作品と鑑賞者の間に自分はいないことが多いので、舞台のこの直接人から人に伝わる力はすごいなと。その分、演じる側は消耗しそうだなーと思います。本当にお疲れ様です。良い時間をありがとうございました😊」
◆「観終えて、「放っておく」のが難しいとしみじみ思いました。勝手に何かを敵認定して、自分を脅かす気がしちゃうこと、日常でもあるよなと思います。 それに、一度自分が「持っている」と思ったものを手放すことも難しい…結局持つことで縛られている部分がたくさんあるのに。持たないことで見えるものもあるのは、玉座しかり、視力しかり、真理ですね。劇中出てくる色々な要素が、二元論で対立するのではなく、それぞれ干渉せずに、ゆるく共存できる社会がいいなと思います。そうしたら、その間に実際にはある無限のグレーな部分も許容されていく気がします。 長女がカーテンをくぐるガラス玉のシーンと、「許し」を知るラストに、そのグレーな世界の感じがして、救いがあるような…うまく言えませんが、そんなことを感じました。「無言の凝視!」で、いきなり自分が巻き込まれた感じがとてもおもしろかったです。急に靴下を履いている自分が恥ずかしくなりました。履いてたのが黒い靴下じゃなくてまだよかったと思うくらい。笑 裸足の人が鳴らす床の音がとてもよかったです。」
◆「言葉によって追われた妹と王、言葉によって玉座を得た姉、しかし言葉によって玉座を得た姉は、言葉ではないもので家来を闘わせたり、言葉ではないもので王の気持ちを削いで、最終的に言葉で引導を渡した。そのちぐはぐさが、狂気に囚われた人々を、翻弄される存在として際立たせたように思う。言語化は何を具体化するのか、具体化していないように見えて本質を突く道化達がまた、観る者を揺さぶってくるのが、シェイクスピア劇の醍醐味と繋がった。」
◆「演劇のことはよくわからないので浅薄な感想は控えますが、この表現形態でしか伝達できない人類が知るべき何かがあるんだろうなぁ、ということを感じることができました 貴重な体験をありがとうございました」
◆「話は難しかったけど、すっごくカッコよくてとにかく凄かった‼️面白かった‼️すごい時間だった。ありがとう‼️」
◆「カラダ全体を使って(酷使に近い)自分の力を最大限に出し切っているシニアの方々、熱量がすごかった。情景、情景の描写をこれでもかと盛り込んで、隙がない。役者は自分の出来ること、すべてやる、舞台ってこうなんだなぁと圧倒された。」
◆「限られた空間のなか、上手に役者が動きまわり、素敵な作品に仕上がっていました。とても内容も分かりやすかったです。
あらすじ
シェイクスピアの『リア王』を下敷きに岸田理生が女性の視点で描きなおした愛と暴力が交錯するジェンダーの迷宮。「私は力が好き…。」父王を追放し、妹を殺して王となった長女が孤り玉座から見た光景とは。本作で女性は様々な貌で現れる。娘、恋人、姉妹、母……。万華鏡のように変化する女性の存在がシェイクスピアの世界を変化させていく。女と男、娘と父。古代より続く争いに果たして終止符は打たれるのか。
出演
青木恵 宇沙木はこ 友竹まり 野村敦子 yoko 向後正枝 おおもりもこ 三浦今日子 緒方美浮 篠田悦子 秋津今日子 片桐美穂 嶺翔 徳田雄一郎 村田峰輝 竜ジン太 永野和宏 篠本賢一
岩佐鶴丈(薩摩琵琶)
スタッフ
照明/高良康成 音楽音響/小森広翔 舞台監督/服部寛隆 演出助手/渡会りえ 振付/石川弘美 殺陣/渡会元之(劇団前進座) 衣装/青木恵 舞台写真/宮内勝 舞台映像/内田誠 宣伝美術/Nono-type 制作/高岩明良
協力/宗方駿 吉野翼 有限会社創新企画 一般社団法人遊戯空間 アトリエそら テアトルアカデミー
主催/劇団うつり座
スケジュール
2025年5月28日(水)〜 6月1日(日)
28日(水) 18:30
29日(木) 14:00
30日(金) 14:00/18:30
31日(土) 12:00/17:00
1日(日) 14:00
※本公演、STORESでのアーカイブ配信販売は終了いたしました。
皆さま、誠にありがとうございました。
※紙チラシ裏面の記載内容に誤りがございました。つきましては、次の通り訂正をさせていただきます。 <訂正箇所> 裏面2行目(誤)1974(正)1946/裏面協力欄(誤)宗方俊(正)宗方駿
































